一昨日、電話で言われたように、13時45分に病院へ行かなければならない。
受精卵を移植するためだ。
私は仕事で抜け出せなかったので、妻が一人で行くことになった。
ひとまずこの時点で、その後も病院から一切連絡がないところを見ると、無事に細胞分裂がなされている(?)受精卵が、少なくとも1つはあるということだろう。
もし全滅していたとしたら、その段階で病院から「移植できる受精卵がありません」と電話がかかってきてるはずだから。
【ドイツの公共交通機関】
公共交通機関のアプリで、だいたい妻が病院に向かう頃の電車を調べておいた。
そして、「そろそろ病院に着く頃かな?」と思って妻にLINEを送った。
すると「まだ到着しない」という。
しかしアプリを見ると、その電車はすでに病院の最寄り駅を過ぎていることになっている。
しかし実際の妻は、なんならまだ自宅と病院の、ちょうど中間地点に来たくらい。
先日のこともあり、遅延しまくる公共交通機関と、不正確な情報を更新し続けるアプリに腹が立ってきた。
ひと昔前は、ドイツといえば正確できっちりしていて手堅いというイメージがあったが、バスもUバーンもSバーンもRBもREもICもICEも、定刻に来ることのほうが珍しいと言っても過言ではない。
【10分遅れで病院到着】
予約の10分前には病院についているはずだったが、結局妻が到着したのは予約の5分後。
しかし病院はかなり混雑していて、患者さんもだいぶおしているらしく、受付で遅刻を咎められることはなかったようだ。
到着から30分後、妻から
「まだ呼ばれましぇん」
「待合で隣になった34歳の女性と話してる。彼女は今回で3回目の移植なんだって」
とLINEが入る。
果たして私と妻の卵ちゃんたちは無事に育っているのだろうか。
ソワソワして、職場の私はまったく仕事が手につかない。
【いよいよ移植】
急に妻とのLINEが途絶えたので、おそらく移植が始まったんだろうと予想。
仕事がますます手につかなくなる。
こんなひ弱な精神力で、果たして自分は父親になれるのだろうかと、ちょっと心配になった。
LINEが途絶えて約30分後、妻から「終わったよ~」と連絡が入る。
妻いわく
「IUI(人工授精)と同じような感じだった」
「卵ちゃん、白く輝いてた」
らしい。
そして、その他の受精卵の様子はどうだったのかというと、
9つ採卵
↓(採卵直後)
IVF(体外受精)に卵子5つ
ICSI(顕微授精)に卵子4つ
↓(翌日)
IVF全滅 & ICSIは3つ授精
↓(さらに3日後)
ICSI生き残り3つのうち1つはダメ
↓(その直後)
1つは移植用、1つは冷凍保存
ということだった。
今回移植を担当してくれたのは、私と妻がこの病院で最も信頼しているM先生だった。
「IVFが全滅するくらい、やはり旦那さんの精子の運動率はよろしくない」
「だから、稽留流産に終わってしまったけど、3回目のIUIで妊娠できたのが今となっては非常に不思議」
「今回の移植がもしダメだったとしたら、次はもうIVFはやらずにICSI一択で」
ということをM先生から言われたようだ。
病院を出た妻からは
「卵巣が腫れてるから、今週はのんびり過ごせって言われた」
「ぐりぐりされたからおなか痛い」
「とりあえず、卵ちゃんがキラキラしてたから可愛かった」
と連絡が来た。
うまく行きますように!!!
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