妻が病院にメールで不妊治療を申し込んでから数日後、早速病院から手紙が届いた。
申し込みの際にあらかじめ病院から聞かされていたように、夫婦揃っての治療開始は5カ月後とのこと。
だが、それに先立って夫(私)が泌尿器科で血液&精液検査をしておかねばならないという話だった。
「精液検査」に対する素朴な疑問
夫婦揃って治療を開始する約1カ月前(つまりメールでのファーストコンタクトから4カ月後)に泌尿器科の予約を入れ、血液&精液検査のため出向くことに。
ちなみに、検査日のだいたい1週間くらい前に病院から連絡が来て、「検査当日から逆算して3~5日は禁欲してください」と言われていた。
前日の晩、どうやって精液検査するのか妻に聞いてみたところ、ネットで色々調べていた妻からは「たぶんどこかでらんたろーが自慰行為をして、精子を容器に入れるんだと思うよ。検尿みたいに」との返答。
ここで私の脳内に浮上してきた疑問は以下。
「どこか、ってどんな部屋だろう?」
「病院で自慰行為をしてちゃんと勃つのか?」
「緊張して勃たなかったらどうするのか?」
「容器ってどんな容器なんだろうか?」
「自慰行為のための”おかず”持ち込みは許可されてるのか?」
しかしながらあれこれ考えていても仕方がない。
翌朝の予約が朝7時ということもあり、コンディションを整えるためにも早めに就寝することにした。
【不妊治療1日目】Viel Erfolg(成功を祈る)!
前の晩は、緊張で寝つきが良くなかった。したがってコンディションは良いとはいえない。
予約どおり7時に受付を済ませ待合室で待っていると、他にも1人だけドイツ人のゴツい男性が来た。
見た目は40歳前後で、ちょうど私と同じくらい。
こちらは妻と一緒だったが、ゴツ男さんは1人。「グーテンモルゲン(おはよう)」と挨拶を交わしたが、妻(女性)がいたせいか、なんとなくゴツ男さんは少し気まずそうだった。
ゴツ男さんよりも先に私の名前が呼ばれる。受付の女性からプラスチックの容器を渡され、容器に貼られているシールに書かれている名前と生年月日が正しいかチェック。
何日前から禁欲しているかも聞かれたので、正直に「5日」と回答。
生年月日等のデータが間違っていないことも伝えると、その受付女性が個室まで案内してくれた。
そして「精液を容器に出したら、容器の蓋をしっかり閉めて、部屋の外の脇にあるボックス(まさに検尿とかを置くような棚)に容器を置いてね」と説明。最後は「Viel Erfolg(成功を祈る)!」と言い残し、爽やかな笑顔で受付に戻っていったw
やらかしてしまった…
個室に入ると、ベッドが1台。椅子が1つ。
そして洗面台も備え付けで、ハンドソープや消毒液、ペーパータオルなどがあった。
「ここでヤれってことか…」
意を決した私はまず、個室についていた窓の外をチェックw
誰もいなかったことに安堵した私はスマホでいかがわしいサイトにアクセスし、動画を頼りに行為に及ぶことにした。
だが、ここで痛恨のミスを犯していることに気付く。
「イヤフォン忘れた」
個室にいると部屋の外の音も多少は聞こえてくる。つまり大音量で聞いたら確実に動画の音が外に漏れる。
仕方ないので音量は必要最小限に落とし、聴覚ではなく視覚に頼りながらフィニッシュを目指すが、多感な10代の頃ならともかく40近くの汚れちまつたオジサンには視覚だけでは興奮が少ない。
それでもなんとか目的を果たした私は後処理をほどこしてからズボンを履き、手を洗って部屋を出て、容器を指定の場所に置いて待合室に戻った。
妻からは「どうだった?」と聞かれたが、「どうだったも何も…w そんなこと言わせるない!」と答えるしかなかった。
そしてその後すぐに血も抜かれ、この日は終了。
血液&精液検査の結果を聞くため、触診のため、問診のため、1週間後に再度来院するように受付で言われ、泌尿器科を後にした。
これからは絶対にイヤフォンを忘れない、と肝に銘じながら。
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