停電の中、ひとまず室内のチェックはすべて終わった。
不思議なことではあるが、照明が使える部屋と使えない部屋があり、同様にコンセントが使える部屋と使えない部屋がある。
家の中のブレーカーっぽいもの(Stromkastenではないらしい)のツマミにも、変化はない。
地下の配電盤を見に行けば、なにか分かるんじゃないか…そんな淡い期待を抱きながら、私は地下におりた。
【他の部屋は大丈夫】
自分たちの部屋を出て、大事なことに気が付いた。
マンションの明かりはついているし、この建物の他の部屋からは明かりが漏れている。
つまりこのマンションの中で、我が家“だけ”が停電しているということだ。
【地下におりる】
地下に行き、照明をつけた。
配電盤らしきものがあるところに行く。
いくつも並んでいる配電盤の上部に、「1階左」「1階右」「2階左」「2階右」と書かれていることに気付く。
つまり、どの配電盤がどの部屋のものであるか、を表しているのだろう。
でも、どれだけ探しても、私と妻の部屋の配電盤が見当たらない。
・・・・おかしい。
なんでだ!?
なんで私たちの部屋の配電盤だけ見当たらないんだ!?
混乱しながら地下室を歩き回ると、ボロボロの壁にボロボロの四角いものが取り付けられている箇所を発見した。
近付いてみると、それは我々の家の中にある小型ブレーカーのようなものよりは大きく、そして配電盤よりかは小さい箱のようなもの。
扉を開けてみると、ブレーカーのつまみっぽいものがあり、そして「●●」と私たちの苗字が書かれていた。
つまり、このボロボロの「電気に関係していそうな何か」が、私たちの本当のブレーカーか配電盤である可能性が非常に高かった。
だが、見たところ、ツマミは全部ONになっている。
我が家の停電が中途半端であることや、このボロボロの配電盤らしきものを見ると、なんとなく直感で、「老朽化したコイツを取り換えれば、停電が直るんじゃないか」という気がした。
【部屋に戻る】
大家の仕事用携帯には「たびたび申し訳ないけど、こうこうこういうことだから、可能な限り早く修理をよこしてほしい」と連絡を入れておいた。
おそらく明日の朝、このメッセージを見てくれることだろう。
さて、時計はまだ21時を少し回ったくらい。
何かのハプニングで、ここから停電が悪化した場合を考え、ひとまず生きているコンセントを使用してスマホの充電を完璧にしておく。
照明がまったくつかない寝室と、むちゃくちゃ薄暗いリビングは、外の明かりに頼ったほうがいいので遮光カーテンを開けた。
普段23時過ぎに寝る私と妻にとって21時はまだ早く、ベッドに入っても寝つけないだろう。
ということで我が家の中で比較的暖かいキッチンへ2人で移動した。
スマホは充電中なので、あまり使用したくない。
でも暇は暇。
ということでリビングのTVをキッチンに運び、生きているコンセントを使ってプレイステーションで遊ぶことにした。
最近ハマっているのは、バイオハザード。
部屋が停電で暗いので、ある意味、雰囲気は完璧だ(笑)
最初、私がプレイしているのを眺めているだけだった妻は(妻は人がゲームをしているのを見ているだけでも全然満足できるという人間w)、「なんか急におなかがすいてきた」と言い、棚にあったミルクパンをむしゃむしゃと食べ始めた。
気が付けば、ミルクパンを5~6個も食べている。
たらふく食べた夕飯から、まだ3時間ちょっとしか経っていない。
妊婦さんの食欲というのは分からないものだ。
コメント