2度目の検査薬でも陽性だったため、その翌日に不妊治療で通っていた病院に連絡した。
病院の受付いわく、まずはエコー検査を行い、胎児がいるかどうかを確認するとのこと。
病院も予約が混んでいたため、だいたい10日くらい先の予約となった。
10日も待つなんて…
当初は「10日も待つなんて長いなあ」と思っていた。
しかし往々にして苦しい時間は長く、楽しく嬉しい時間は足早に過ぎ去っていく。
妻が妊娠したことに半信半疑な自分はまだまだ健在だったが、思ったよりも素早く10日間が終わった。
予約当日
さて、予約当日。
おそらく週末にパーティーをしていたらしい病院の先生は、むちゃくちゃあくびをしていたが、診察はしっかりとやってくれた(笑)
妻が下半身だけ服を脱いですっぽんぽんになり、先生がジェルを塗ってエコーを開始。
するとすぐに先生が、私たちのベイビーを発見してくれた。
映像が不鮮明(なように私には見えた)だったため、正直なところ体の輪郭等は分かりにくかったが、小さな何かが一定のリズムで「トクン!トクン!」と動いているのだけは分かった。
先生が「これが赤ちゃんの心臓だよ。ちゃんと脈を打ってるでしょ?」と説明してくれると、私も妻も思わず、まるでクリスマスプレゼントをもらった子どものように「わぁーーーー!!!」と声をあげて、満面の笑みでその映像に見入ってしまった。
妻は先生に「schon süß!(既にかわいいんですけど!)」と言っていた。偽りのない本音だろうし、自分の喜びを誰かに伝えたかったんだと思う。そしてその気持ちはよく分かる。
今後の手順は?
先生にエコー写真もちゃんとプリントアウトしてもらい、それをカバンに入れ、あとは今後の説明があった。
ドイツでは病院も細かく専門ごとに分けられている。
この病院は、あくまで不妊治療が専門。
したがって、それまで約1年通っていたこの病院は晴れて卒業となり、これからは婦人科の開業医に通わなければならない。
そのことを説明されたのだった。
ただ、今回の妊娠発覚前の段階、たしかまだ不妊治療を始めた頃だったと思うが、「もし妊娠したら」についてざっくりとした説明を既に受けていた。
そのため2回目の検査で陽性が出てから、ここでのエコー検査日を迎えるまでの間に、婦人科の開業医にも別途連絡を入れていた。
そこの婦人科医もけっこう混んでいるらしく、予約日はこのエコー検査から18日後。
先生「というわけで今後は婦人科医に行って下さい」
我々「そういう流れになると聞いてたので、実はもう予約を入れてあるんです」
先生「それはグッドです。いつですか?」
我々「18日後です」
先生「18日後か…結構先ですね。まあでも、それが最短ならしょうがないですよね」
この時で、おなかの子どもは6週と5日。
次にエコーで子どもに会えるのは9週を過ぎてから、ということになる。
とにもかくにも、天にも昇る思いで妻と病院を後にした。
病院から帰る道すがら、まだまったく膨らんでいないおなかを優しく擦る妻が愛おしかった。
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