【不妊治療12カ月と11日:妻の手術当日】

不妊治療

少し前まで、仕事が忙しくてこのブログが停滞気味でした。

今現在、仕事の忙しさこそ和らぎ、頑張ってブログを更新しようとはしていますが、なかなか執筆に手が回りません。

この時のことを思い出して文章にするのは、やっぱり精神的に負担がものすごく大きいからです。

でも、同じ境遇で苦しみ、悩み、傷ついている方にとって、ほんのわずかでも何か参考になればと思い、これからもこのブログに書きまとめていきたいと思います。

という謎の決意報告。

【病院へ】

受付予定の時刻は朝7時。

自宅から病院まで距離があるため、6時20分頃には家を出た。

付き添いのためもちろん私も一緒に行ったのだが、コロナのせいで私は病院内に留まることができないという。

初めての手術で不安がる妻を一人残すのは心苦しい。

しかし規則は規則…。

大丈夫だと妻に言い聞かせ、私は病院を後にするしかなかった。

【いったん帰宅】

妻のことは心配だが、何もせずに悶々としているわけにはいかない。

妻を迎えに行く時間がくるまで、洗濯や食材の買い出しなどやるべきことはやらなければならない。

さっさと買い物を済ませ、洗濯機を回し、洗濯物を干し、そして少しばかり仮眠を取った。

妻から連絡があったのはだいたい12時頃。

麻酔から目が覚め、今はまだ部屋で待機しているとのことだった。

妻いわく、部屋は2人部屋。

妻より少し年上の、ドイツ人の女性もいたらしい。

妻も彼女に詳しい話を聞くことはためらったが、彼女も日帰りの手術を受けたという。

「自分と同じような境遇の人がいる」

「つらい思いをしているのは自分だけじゃない」

妻が一人部屋ではなく、二人部屋で休憩させてもらえたのは、今思えば良かったのかもしれない。

【2時間後に迎えに】

妻からは「先生と話したけど14時~15時頃に退院できるみたい」と連絡が来た。

なのでそれに合わせて病院へ向かった。

本来ならまだ寒い時期だったけど、その時期のドイツにしては空の色はとても青く、気温も穏やかだった。

どうやら妻が部屋を出られたのが、私が妻から聞いてた時間よりも少し早かったみたいで、妻を待たせてしまった。

妻からは「らんたろー、どこにいるの?」と、泣き顔のスタンプでLINEが送られてきた。

入口に走って向かい、妻と合流。

院内の庭園にポツンと立つ桜を横目に見ながら、病院を後にした。

【アプリの中の子ども】

夜、寝る前のこと。

ベッドに入り、久しぶりに「トツキトオカ」のアプリを開いてみた。

今までは、開くたびに言葉をかけてくれていた子どもだったが、妻が設定を変えていた。

つまり、「亡くなった」という設定に変えられたということだ。

アプリの中と言えども、大事な自分の子どものように思っていた。

その子どもは、もうこちらに声をかけてくれない。

空へ旅立っていた子どもは、アプリの中でも空にいて、三日月の上でただ休んでいるだけだった。

子どもが手の届かないところに行ってしまったのだと再認識し、それが悲しくてまた泣いてしまった。

↑流産が発覚する前にスクショで残しておいた「トツキトオカ」のアプリ

コメント

タイトルとURLをコピーしました