朝起きても、気分は晴れなかった。
でも、すぐにやらなければならないことが一つあった。
それは、今まで約1年通っていた不妊治療専門病院への連絡。
なぜなら、我々に降りかかってきたものは「稽留流産」だったからだ。
これまで通っていた不妊治療専門病院へ
昨日の産婦人科の先生からは、「とりあえず今まで通っていた不妊治療病院に連絡してほしい」とのことだった。
普段はなかなか予約が取りづらく、不妊治療の申し込みから開始まで4カ月以上待ったその病院だが、一度患者として受け入れてもらった後や、こういう切羽詰まった時には迅速かつ柔軟に対応してくれる。
電話をかけ事情を説明すると、午後一番で来てくれと言われた。
我々の暗い気持ちとは裏腹に、その日はドイツの冬では珍しいほどの快晴だった。
病院到着
しばらく来ることはないと思っていた不妊治療の病院に到着した。
事情を話し、無理やり予約を押しこんでもらった旨を伝える。
1時間半ほど待たされたが、なぜかそんなに苦痛ではなかった。
今からまず行われるのは、2度目の検査。
つまり、おなかの子が本当に亡くなっているのかを調べる。
「やっぱり亡くなっています」という言葉を聞くのが怖かったから、検査の待ち時間が苦じゃなかったのかもしれない。
しかし、その時はやってきた。
私も妻も、まだ一縷の望みを捨てていなかった。
「もしかしたら昨日の診察は誤診だったかもしれない」
そんな淡い願いを抱いていた。
だが、月並みな表現だが、世の中そんなに甘くはない。
エコーには真っ黒な画面が現れ、動きがあるものは何も映し出されなかった。
まるで死刑宣告を2日連続でくらったかのような心境だった。
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