【不妊治療16カ月と23日:5度目の人工授精】

不妊治療

3度目の人工授精が成功し、妻のおなかに胎児が宿った。

しかし、10週目の検診で稽留流産が発覚。

約5カ月の時を経て再開した4度目の試みも不発に終わった。

その翌月、私たちは5度目の人工授精を行った。

【妻の姿勢】

最初に結果を言ってしまうと、この5回目も駄目だった。

人工授精の翌週になると、妻の胸がいつもの(生理前の)ように張ってきて、予想通り生理がやってきた。

ただ、良いことなのか悪いことなのか分からないが、この頃になると、人工授精という行為ももはや機械的な作業だという受け止め方になってきた気がする。

男(私)は病院で精子を出し、それがうまく妻の卵子とくっつくことを願うしかないのだ、と。

私にとってなによりありがたかったのは、妻の姿勢だ。

妻は、私よりもおそらく子供を欲しいと思う気持ちは強いと思う。

ステレオタイプで

「男と女というものは常に平行線を辿り、決して理解しあえない」

「男は頭で考え、女は心で考える」

と古の時代から言われてきた。

これが正しいのかどうかは分からないし、もちろん人それぞれだとは思うが、じゃあ翻って私の妻はどうかと言うと、当然生理が来れば(人工授精が失敗すれば)一時的に落ち込む。

しかし、これをずるずる引きずることはない。

「保険会社からIUIを8回まで負担してくれると言われてるし、そこまでやってダメだったら次のステップに進むしかない」

「どうあがいても、俺たちが進む道は結局のところ、その1つしかない」

「まだ子供ができる可能性が潰えたわけじゃない」

「むしろ今回ダメだったってことは、次のステップに近づく=成功に近づくってこと」

と言えば、すぐに気持ちを切り替えてくれていた。

私だって本音を言えばすぐにでも子供ができてほしかったし、人工授精が失敗すればガッカリした気分になる。

人工授精を始めて(この時点で)まだわずか1年強だったというのもあるかもしれないが、でも、どちらかが必要以上に落ち込み、そのせいで変にギクシャクし、2人のベクトルが異なっていくということはなかった。

それは確実に、妻のおかげだと私は思っている。

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