妻に代わって私が作成した拙いドイツ語のメールをしっかりと読んでくれたらしい。
妻がM先生にメールを送ってから4日後、先生から添付ファイル付きの返事が届いた。
【十分すぎる一筆】
まずM先生の回答。
メールの内容を要約すると、こういうことだった。
・私のせいで混乱を招いてしまって申し訳ない。
・そもそも論として、あなたの旦那さんが加入するプライベート保険が「こちら(プライベート保険)でお金を負担しますよ~」と申し出ていること自体、はっきり言ってとても珍しいこと。
・現実的な問題として、「女性側に不妊の原因がある」と判断されることが多いし、特に体外授精においては「旦那さん側に問題があると明確に判断することは難しい」と考えられることが多い。
・確かにあなた(妻)が言うように、プライベート保険でIVFが認められ、あなたが加入する公的保険のほうでICSIを申請すると、プライベート保険のほうで混乱を招く恐れがある。
・なので、プライベート保険に送るための新たな一筆を用意した。
・そちらもチェックしてもらって、内容に納得できるのなら、プライベート保険にはこの一筆を、そして公的保険にはICSIで進める旨のBehandlungsplanを送ってほしい。
そしてM先生が添付してくれた一筆の内容はこんな感じだった。
↓
「らんたろー夫妻については、男性不妊症(奇形精子症)の可能性が高く、子宮内人工授精を計7回行って1回妊娠したが、残念ながら稽留流産した。今後は体外受精を行う予定だが、夫側の生殖能力の低下も考慮している。そこで当初Behandlungsplanで送ったIVFだけでなく、ICSIの選択肢も残しておきたいと考えており、精子の状態によってはすでに承認してもらったIVFのみならず、ICSIの費用負担も検討して頂きたい」
もう一度、M先生のメールに戻る。
M先生のメールには、さらに追加でこう書かれていた。
・大前提として、IVFよりもICSIのほうが、コストがかかる。
・したがって公的保険側にICSIの費用負担をお願いしておいて、そこでOKが出れば、仮にICSIではなくIVFをやったとしても、IVFの費用もおそらく負担してくれるはず。
・なぜならICSIよりもIVFのほうが安いため、公的保険からすればそちらのほうがありがたいから。
・だから公的保険にはICSIでお願いするBehandlungsplanを出し、そしてプライベート保険にはこの一筆を追加で送付してほしい。
・プライベート保険側でこの一筆に対してOKが来たら、実際に病院にお越しいただいて、具体的な話を進めていきましょう。
なにはともあれ、十分な内容の一筆だった。
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